こんにちは。都内のクリニックで働いている理学療法士のあおかずです。
・五十肩ってPT・OTの介入で良くなるの?
・どうしたら五十肩の治療で結果を出せるかわからない
という悩みを解決する記事を書きました。
実はしっかりと五十肩の知識をつけることで結果を出すこと出来るんです!
五十肩を理解することで、症状に合わせて適切な運動や指導ができるため結果を出せることができます。PT・OTの介入が大事なことが分かりますよ。
そして、紹介する『五十肩の評価と運動療法』は勉強にうってつけのですので、持っていない人は是非購入してください。
記事の前半では『結果を出すために五十肩の理解がなぜ重要なのか』を解説しつつ、記事の後半ではお勧めしたい本『五十肩の評価と運動療法』の紹介をします。
この記事を読むことで結果を出すために五十肩を理解する必要を知り、有用な参考書も知ることができます。
一足先に本を紹介
そもそも五十肩とは?
標準整形外科学によると五十肩は↓のように書かれています。
古来、50歳くらいに好発する肩の疼痛と可動域制限を主訴とする肩関節疾患を総称して五十肩と呼んでいた。その後、この疾患群の中に腱板断裂や石灰性腱炎が含まれていることが判明し、今日ではこれらの病態のはっきりした疾患を除外した残りの疾患群を五十肩とよんでいる。肩関節周囲炎periarthritis of shoulder、癒着性関節包炎adhesive capsulitis ともよばれる。
標準整形外科学第10版p.378 医学書院
五十肩は6か月~2年以内に自然治癒する疾患とされ、症状が治まることではじめて五十肩が原因だったと診断されることがあります。
原因不明で自然治癒することが多い疾患ため、運動療法が介入するまでもないと思うかもしれません。
しかし、あなたの適切な運動療法によって回復が早くなりますし、運動指導が出来れば反対側の予防にもなります。
自然治癒するからと思って何もしなかった場合、時間がかかるほど痛みなどから回避するような代償動作で変な身体の使い方を覚えてしまいます。
運動療法でセラピストが介入していくことで理想的な身体の使い方を身に着けることができます。
また、反対側も五十肩になった場合も運動指導を受けた経験である程度対策を立てることができますし、早めに病院受診、リハビリ介入という手段がとれるようになります。
運動療法の介入から運動指導、最後は再発の予防まで携わる私たちセラピストは五十肩で苦しむ人には大切な存在になりますね。
PT・OTが結果を出すためには五十肩への理解を深めよ
五十肩を理解する
五十肩のリハビリ介入で結果を出すためには「五十肩」という疾患を理解しなければいけません。
- 男女問わず40~50代で好発。
- 6か月~2年以内に自然治癒する疾患。
- 疾患としては肩甲上腕関節にのみ可動域制限が生じる。
- 病期があり、疼痛期、拘縮期、緩解期に分けられる。
細かな特徴は多岐にありますが、上記のことは患者さんに説明する最低限の特徴になると思います。
患者さんから「どれくらいで良くなりますか?」とよく聞かれます。
この質問に対して「わかりません」と答えてしまうと、受ける側とすれば不安になりますよね。
上記の特徴が説明できると患者さんも五十肩の大変さを理解できると思いますしあなたを信じてくれるでしょう。
次に、介入していくためには何が必要でしょうか?
評価や運動療法を知る
結果を出すには五十肩という病態を理解したうえで肩関節周囲を適切に評価していく必要があります。
「手っ取り早く治療法を教えてくれよ」と過去の私も思っていました。
しかし、今では個人的に評価=治療だと思っています。
評価をすることが同時に治療を行うことになるのです。
例えばですが、棘上筋に圧痛がある場合は触診や可動域テストの評価をすることで筋にストレッチやマッサージを行うことができます。
その後に可動域拡大や圧痛が消失していれば治療も行えたことになりますよね。
つまり、評価=治療に繋がりやすいのです。
1単位=20分と限られた時間で結果を出すためには評価と治療が併行して行えることが大事ですね。
おすすめ勉強書籍『五十肩の評価と運動療法』の紹介
五十肩を理解し、評価と運動療法を学ぶための書籍を紹介します。
それがこれです!
この本のメリット・デメリットを挙げるとすれば・・・
メリット
- PT・OTにとって五十肩に関する唯一の専門書
- 評価と運動療法、動作指導が病期別に記載されており絵や図もカラーで見やすい
- 著者は様々なセミナーで講師をされている赤羽根先生
デメリット
- 肩関節の拘縮をとる運動療法を知るには前作の本を購入する必要がある。
- 動画などが特典であれば良かった。(出版社の違う本には特典があったりする)
メリット①:PT・OTにとって五十肩に関する唯一の専門書
一般の健康本では五十肩のストレッチなどの書籍がありますが、専門書として『五十肩と運動』について書かれている本は今のところこの本しかないですね。
私たちセラピストが購入するような専門書や開催されるセミナーの多くは『肩関節』について詳しく述べられており、腱板損傷や変形性肩関節症などの代表的な疾患として五十肩が紹介されている程度です。
そのためか五十肩はあくまでも紹介程度にしか記載されていないことが多い印象です。
この本は五十肩に焦点を当てているため、すべてが五十肩の治療に役立つ情報となっており、五十肩に悩めるセラピストが望んでいた情報が得られるでしょう!
個人的には最低限必要な肩周囲の基礎知識も載っているので、悩んでいなくても五十肩の理解が不十分だと感じれば将来のために読んでおくのには全く損はしないかと思います。
メリット②:評価と運動療法、動作指導が病期別に記載されており写真や図もカラーで見やすい
メリットの2つ目は五十肩の内容も充実しており、読みやすいです。
充実していると感じた理由として五十肩と運動療法には肩周囲の筋の触る方法や五十肩の特徴などについて詳しく書かれているからです。
また五十肩は3つの病期があり、疼痛期、拘縮期、緩解期に分けられます(本の中でもしっかり解説されています)。
嬉しいことに3つの病期別に対応した運動療法や動作指導が書かれており、担当患者さんに病期を当てはめれば明日から動作指導ができます。
また、読んでいると写真や図が出てきますが、それらは全てカラーで見やすいです。シロクロでも分からなくもないんですが、個人的にはカラーのほうが写真や図がスッと頭に入ってきやすくてポイントが高いです。
メリット③:著者は様々なセミナーで講師をされている赤羽根先生
赤羽根良和先生はPT・OTの研修会を検索するとよく講師の名前で出てきます。
今回は肩ですが、腰や膝などでの講師もされており、実績と経験のすごい方ですよね。
これだけ講師をされるということは実力もさながら教えることも素晴らしいということですよね。
そのため、様々なところからセミナー開催の依頼が飛び込んでくるのではないでしょうか?
そんな実績の人が書いた本ですから、有益である可能性は高いですよね。
また個人的に赤羽根先生の考え方が好きで、知識や技術を吸収したいと思っています。
デメリット①:肩関節の拘縮をとる運動療法を知るには前作の本を買う必要がある
素晴らしい本なのは間違いないのですが、残念に感じた部分があります。
それはこの本だけでは関節包の拘縮をとるための情報が少ないということです。
というのは、拘縮をとるためにより詳しく手技を身に着けるためには前作の肩拘縮の本を参考にする必要があるのです。
それでも、関節包の拘縮をとる方法自体は本書でも記載されていますし、筋のリラクゼーションやストレッチはしっかりと解説しているので個人的にはこれ1冊で充分だと感じています。
デメリット②:動画などの特典があれば良かった。
これはデメリットか分かりませんが、不満があるとすれば特典がないことかなと考えました。
例えば、前作の肩関節拘縮の運動療法の本では購入すると過去に開催されたセミナーの一部をQRで動画視聴することができます。
まあ、前の肩の本で特典を出してしまったからだとは思いますが、なにかあったら嬉しかったのにと思いました。
ちなみに前作の本もおすすめです。
まとめ
この記事では理学療法士・作業療法士が五十肩に対して結果を出すための手段の紹介をしました。
前半では 『結果を出すために五十肩の理解がなぜ重要なのか』を解説し、後半は『五十肩の評価と運動療法』という本の紹介をしました。
最後に内容をおさらいしておきましょう!
- 五十肩の介入で結果を出すためには五十肩を理解することが大事です。
- 五十肩の病態や病期を理解したうえでの評価が身につけましょう。
- 五十肩を理解し、評価するためにおすすめの書籍を紹介したので、購入して勉強しましょう。
繰り返しになりますが、五十肩で結果を出すためには五十肩を理解しなければいけません。
五十肩を理解し、適切な評価を身につけることで効果的な介入ができるようになります。
私が紹介した本も参考にして五十肩の理解を深めていきましょう。
他にもおすすめの本があれば記事にして伝えていきますね。
下記も五十肩を記事にしてみました。
併せて読んでください。