- 解剖学は勉強する量が多すぎて楽しくない人
- 理学療法士・作業療法士として働くのに解剖学の必要性を感じていない人
- 解剖学の重要性は理解しているけど、どのように勉強していいか分からない人
このような悩みを解決する記事を作りました。この記事は解剖学での勉強について悩まれている方には必見の内容となっています。理学療法士として働いている私も学生当時は解剖学の勉強に苦労しました。
解剖学は難しくて量が多いため、知識として身につけるのが難しい科目です。しかし、解剖学は医学を学ぶ上で重要な学問のため、理学療法士・作業療法士として臨床で働く場合は解剖学を避けては通れません。この記事ではそんな解剖学を効果的に学べる方法をお伝えしていきます。
一番大事なこととして、学生でも臨床家でも「解剖学」という学問を理解することです。 解剖学がどんな学問かを知り、理学療法士・作業療法士など、セラピストとして働くにはどんな解剖学的知識が必要かを理解し、興味・関心や好奇心を持つことが大事なのです。
なぜはじめに解剖学を理解する必要があるかというと、学生時代に多くの人が「解剖学」を理解せずに授業を受けているからです。つまり、能動的に「やらされている感」で勉強をしているのです。何のために解剖学を勉強しているのか、勉強した先でどのような場面で役に立つのかを理解することで目的が明確になり勉強の苦手意識がなくなるでしょう。
この記事では、解剖学を簡単で効果的に学ぶための方法をまとめて紹介します。方法は以下の6つです。
- 解剖学を理解して興味を持とう
- 単位をとるための勉強、臨床で活用するための勉強を知ろう
- トランプやカルタで楽しく勉強しよう
- 実際の現場から解剖学を学ぼう
- リハノメで解剖学を学ぼう
- 他人の勉強方法を知ろう
この記事で紹介した方法を実践することで、解剖学を理解でき、さらにその知識を実践で活用できるようになります。そして、解剖学に対しての考え方や勉強方法が変わっていくでしょう。
【効率を上げるために】解剖学を理解して興味を持とう!
解剖学というものを理解すれば勉強している必要性が明確になる
「解剖学がどんな学問なのか理解していますか?」と質問されたら しっかりと答えられますか?
僕の経験上、質問に多くの人が上手く言葉にして説明ができないでしょう。つまり、答えられなかったあなたは解剖学を知らないのです。そのような状態で解剖学を勉強しても、勉強が苦痛になり継続できません。なぜ上手く説明できないのかの理由を2つ挙げましょう。
- 解剖学は入学して最初の学期に勉強するため、セラピストが解剖学を勉強する必要性を授業中に説明されていたとしても忘れているから。
- 解剖学の膨大な量と難しい言葉が苦痛に感じ、勉強が受け身になってしまうから。
解剖学は暗記する量が膨大な科目です。苦手を克服するキーとしてまずは解剖学を勉強する必要性を知ることです。必要性がわかれば、目的が明確になるため、モチベーションを維持しやすく、コツコツと身に付けていけるでしょう。ここでは解剖学を理解するための2つのポイントをお伝えします。
理解するためのポイント①解剖学とは何かを知ること
解剖学とは簡単に言えば、生物体の正常な形態と構造を研究する学問であることを頭に入れておきましょう! つまり、人間を構成している物の構造を勉強する学問になります。解剖学が理解できなければ、運動の仕方(運動学)や体の機能(生理学)の繋がりが分かりません。そのため、人と接する職業の医療従事者としては解剖学がとても重要です。
理解するためのポイント②自分のレベルにあった内容から勉強すること
結論から言うと、教科書の内容が難しいと感じれば、まずは近所の本屋さんにある一般書から勉強をしてみましょう。 なぜなら、一般書は専門家が一般の人(素人)が理解できるように分かりやすく、かみ砕いて説明してくれているからです。
私が学生時代の時も授業で使った教科書は分厚くて専門用語も多かったので、入学したての頃は難易度が高いと感じていました。 ちんぷんかんぷんな状態で授業を受けても、よほど授業が楽しくない限りは退屈に感じてしまいます。自主学習するよりは授業中に少しでも多く理解できたほうが後々の復習も容易になります。そのため自分の理解度を把握して、必要であれば一般書から読み始めましょう。
下記は医師が身体の仕組みを一般の人にもわかるようにイラストや絵を用いて説明している本になります。教科書を眺めてみて難しいと感じれば、まずはこの本から読んでみてください。イラストもあるので分かりやすいです。
解剖学に興味が持てれば「苦手」が「楽しい」になる
解剖学の勉強を楽しくするためには解剖学に興味・関心を持つことが大事です。 なぜなら、人間は「ここが知りたい」や「やってみたい」などの興味・関心・好奇心を持つことで記憶に結び付きます。さらに疑問が解けたり、体験を得ることで勉強が楽しくなるからです。
興味・関心・好奇心は脳の伝達物質である「快楽」を司るドーパミンが影響してきます。 つまり、解剖学が楽しいと感じられれば勉強が苦にならなくなるのです。 解剖学に興味を持つための方法を以下に挙げます。
- 解剖学の重要性を理解する
- 視覚的に学ぶ
- 実践的に学ぶ
- 興味を持つ部位や臓器を選ぶ
- 質問をする
もっと詳しく知りたい場合は下記の記事を読んでください 。
繰り返しになりますが、興味・関心・好奇心を持つためには「解剖学」がどんなことを勉強しているのか学ぶ必要がありますよね? 興味・関心のある分野から自分のレベルに合った本を読んでみましょう。
【理学療法士・作業療法士学生へ】解剖学を克服!単位をとるための勉強を身につけろ!
理学療法士・作業療法士になるための最初の関門になるだろう解剖学の単位取得。 養成学校に入学して最初のテストで早速この高いハードルを越えなければいけません。
しかし、単位をとるための勉強は国家試験に合格するためや臨床で活用するための勉強と異なる可能性があります。 なぜなら、単位をとる方法は学校の先生が作ったテストで合格する必要があるからです。 そのため、解剖学の先生がどのような出題傾向なのかを把握して対策を立てて臨むことが大事です。
対策を立てて試験に臨められればベストですが、苦手で後回しにしてしまいテスト前まで手を付けていない人もいるでしょう。 解剖学は覚える範囲が広い暗記科目ですので、テスト直前の一夜漬けだといくら努力しても覚えられる範囲は限られてしまい、単位を落としてしまう可能性があります。
そこで解剖学の単位をとるために先輩セラピストの私がどのような準備や対策を行えばいいのかコツを2つお伝えします。
1つ目が試験勉強を始める時期は遅くてもテストの4週間前から始める。
2つ目がテスト合格のために情報収集を行いましょう! 以下に情報収集の3つの方法を挙げます。
- 過去問を入手する
- 先輩から話を聞く
- 直接、先生に聞きに行く
記憶に結び付けるための期間と情報収集で試験を優位に行い、少しでも確実に単位を取得できるようにしましょう。
【セラピスト学生向け】解剖学を克服!単位をとるための勉強はこうしろ!
【違う角度から】トランプやカルタの遊びグッズで楽しく解剖学を勉強しよう
解剖学は覚えることが多く、身につけるには継続的な勉強時間が必要です。「継続は力なり」の言葉はありますが、実際は苦痛に感じているものを継続できないですよね。
なぜ、苦痛に感じて続けられないのかというと、実は脳内の伝達物質の分泌が関係しています。 実は人は喜怒哀楽に伴って、記憶力を増強する脳内物質を分泌しています。 代表的な脳内伝達物質はドーパミン、エンドルフィン、アドレナリン、ノルアドレナリンです。
・ドーパミンはわくわくした時や目標を達成できたときに分泌されます。
・エンドルフィンは優勝や目標の達成などの喜びを実感する時に分泌されます。
・アドレナリンやノルアドレナリンは不安や恐怖を感じると分泌されます。
ドーパミンやエンドルフィンが分泌されるように楽しく勉強する方法があれば、たとえ難しい内容でもやる気を保つことができるでしょう。
そこで継続をするための秘訣として、解剖学の勉強をトランプやパズルなどのアイテムを使って楽しめる方法をお伝えしていきます。 苦手でなくても普通の勉強に行き詰まったら遊びの要素を取り入れて、違う方法で勉強してみましょう。
トランプで勉強
トランプは色々な遊びがあるので一人でも複数人でもできるのでお勧めです。 私も空き時間に友人と集まってトランプをして楽しんでいました。 下記の商品は筋肉の名称と絵が描かれたトランプです。
空き時間で友人と遊びながら筋肉も覚えることができるため、ドーパミンやエンドルフィンが分泌されやすく、筋肉の絵や名称も記憶に結び付きやすくなります。トランプだけでテストを合格できるわけではないですが、楽しみながら解剖学も勉強できる一石二鳥の便利グッズです。
下記のリンクからでも購入できます!
ジグソーパズルで勉強
1人で黙々と遊びながら勉強したいなと思う方はジグソーパズルで勉強する方法があります。 見本を見ながら正しく並べていかないと完成しませんので、遊びとはいえ集中力が必要になります。
完成したら、達成感が得られるためドーパミンが分泌されます。 繰り返して行うことで記憶に結び付き、いつの間にか完成した絵が頭の中に入っているかもしれませんね。ジグソーパズルと解剖学がリンクすると部位の勉強や問題を解く時にジグソーパズルの完成図で思い出せるので、名称さえ覚えてしまえば完璧です。
カルタで勉強
カルタはトランプやジグソーパズルと違ってあまりやらないかもしれませんね。 しかし、普段やらないからこそカルタで勉強することで記憶に深く結びつくかもしれません。
トランプとの違いは下記の商品が筋肉編、骨編、脳・内臓編と3つあることです。 骨や内臓はカルタで楽しく覚えましょう!
【実践向け】臨床から解剖学の必要性を学ぼう
臨床で解剖学を使う場面を知っていると、勉強する目的が明確になって、モチベーションが維持しやすく勉強効率がよくなります。なぜなら、ゴール(目的)がはっきりしているので達成するための手段を選択することができるからです。 ゴールがないと暗い中を手探りで勉強しているようなものです。
臨床から解剖学の使い方を知ったほうがいい理由は「トップダウン」という考え方を臨床では良く用いるからです。授業のような学生時代の勉強方法は「ボトムアップ」と呼びます。
問題点から必要な知識を用いて治療に役立つ考え方を「トップダウン」と呼びます。 「ボトムアップ」とは、いわゆるローラー作戦のことで、教科書を最初のページから順に勉強していく方法です。
ボトムアップでの勉強では臨床と解剖学の関連性が見えてこないため、何のために解剖学の知識が役に立つか分かりにくいと感じてしまいます。 現場で起きている問題点から必要な知識を用いて解決していくトップダウンの考えで、解剖学と臨床を繋げることで解剖学の必要性を理解できるでしょう!
より具体的な方法を知りたい場合は下記のリンクからとんでください。実際に臨床を経験した私からの解剖学勉強方法をお伝えしています。
私が実践した解剖学の勉強方法を紹介
私は学生時代に資格を取るだけの勉強ではなく、資格取得後も有効に活用できるよう考えながら勉強に取り組んでいました。
そんな私の学生時代の解剖学勉強方法をお伝えしていきます。 私の勉強法は①ひたすら描く・書く、②勉強する優先順位をつける、③コツコツと少しずつ行うことです。 1つずつ解説をしていきます。
①ひたすら描く・書く
解剖学の勉強は絵で描いて、字で書いてを繰り返し、頭の中に叩き込んでいました。 なぜなら、解剖学は暗記が科目で質よりも量をこなす方が効果的です。
下記でも述べますが、工夫として短時間でコツコツと行うことで一回の勉強でかかる脳の負担を減らしていました。 ひたすら描いて(書いて)いく先にはセラピストになった時に触診技術の向上に繋がりました。
触診技術は解剖学的構造を理解していないと目的の組織を触り分けることが困難です。時間のある学生時代から解剖学的知識を身につけておくと実践で活用できる触診や徒手療法の理解も早くなるでしょう。
②勉強する優先順位をつける
繰り返しますが、解剖学は覚える範囲が広く、身体機能の回復を目指すためにはすべての範囲を網羅したほうが良いです。しかし、解剖学の理解を早めるために解剖学すべての分野をまんべんなく勉強するのではなく優先順位をつけて行っていました。 なぜなら、セラピストとして働くには最優先で覚えなければならない分野があると感じたからです。
それが、筋系、骨系です。 特に骨系は最優先で覚えなければ、内臓の位置や筋肉や神経の走行がわかりません。 さらに、セラピストは主に運動療法を用いるため、筋系や神経系の優先度も高いです。
もちろん他も重要ですし、国家試験に合格するためにも、臨床で活躍するにもどちらにしても必要不可欠です。 しかし、優先順位をつけてセラピストとしてよく使用する分野から勉強していきましょう。どこから優先して勉強していいか分からない場合は運動学から勉強を始めていきましょう。運動を理解するために必要な解剖学的知識も学ぶことができます。
③コツコツと少しずつ行う(ながら勉強)
コツコツ行う工夫として私は「ながら勉強法」を行っていました。 ながら勉強法とはその名の通り「○○しながら勉強する」方法です。
電車で移動中に勉強することがその勉強法にあたります。 このように移動中などのちょっとした隙間時間を上手く活用することで勉強時間を確保していました。そして、コツコツと行うことで勉強した内容が一時記憶から長期記憶に移行します。
このながら勉強ができると隙間時間を有効に活用できるだけでなく、色々な刺激があり覚えやすくなります。例えば、待ち合わせで立っていた時に下腿の解剖学を勉強していたら足が痛くなったので、踵骨隆起に荷重がかかりすぎているんだな、などの場面と勉強がマッチすると覚えやすくなります。
私の勉強方法をもっと詳しく知りたい人は下記の記事を読んでください。
解剖学を臨床で使えるようになるためには?【リハノメのすすめ】
勉強した解剖学を実践で活躍するためにはどうしたらいいかというと、 一番良い方法は実際に活用している人に教わることです。 つまり、先輩から教わることが効率的な活用方法となります。
「先輩に教わるなんてできないよ、職場に教えてくれる人がいないよ」
こんな場合もあるかと思います。 その場合は研修に参加するという手段を用いることでセラピストの先輩が講師となって教えてくれます。
しかし、研修は参加費用が高く、そう簡単に行けるものではありません。 私が新人だった頃の勉強方法は本を買うか研修に足を運ぶ必要がありました。 また研修の内容が自分にとって講師の教え方に当たり外れがあると思いますので、お金と時間の無駄になってしまうかもしれません。
そこで、私が紹介するのは【リハノメ】という動画配信サイトを利用する方法です。
上の画像からクリックで登録できます。
合同会社geneという老舗が動画配信サイトを作っており、2022年7月12日現在、全部で743本の動画があり、今後も毎月12本の配信予定があります。
また配信内容も半年先までスケジュールされています。特徴としては以下のように感じています。
- 登録前からある過去の動画が見られること
- アプリがあり、どの媒体からでも視聴できること
- 本を出版しているような有名な講師の動画も視聴可能なこと
- PTだけでなく、OTやST向けのセミナーも視聴できること
- 一般的なセミナー内容から少しマニアックな内容まで幅広く配信していること
- お試しプランがあり、クラブオフのPT会員はさらに安く利用できること
1か月のお試し登録があるので、少し体験してみたい人はまずはお試しで登録してみましょう。 凄くコスパが良く、2つ動画を視聴するだけで1回の研修参加費以上になります。
上記からお試し登録だけでもして体験してみましょう! 登録の仕方や注意点は下記の記事を読んでください。
終わりに
今回は解剖学の勉強の仕方と臨床までの活用方法をまとめました。 解剖学を覚えることは大変ですが、知識を活用できるようになれば仕事が楽しくなります。
この記事を読んでくださった人はぜひ参考にしてください。