- 解剖学ってどうやって勉強すればいいの?
- 範囲が広すぎて覚えられない。
- 解剖学の勉強をしたところで何の役に立つの?
上記の悩みを解決するような記事を書きました。都内の整形外科クリニックで働いている理学療法士のあおかずです。
解剖学は基礎的な医学知識なため、治療などの臨床を行うためには重要な学問です。そんな大切な解剖学ですが、学生の多くが登竜門になっています。なぜなら、勉強する量が多いうえに、専門用語も多いため、覚えることが大変だからです。
今回は学生時代に解剖学の講義を受け、理学療法士の国家試験を合格し、その知識を使って臨床で働いている私が過去の学生時代の勉強法や臨床からの経験に基づいた私なりの効果的な解剖学の勉強方法をお伝えします。
私の解剖学の勉強方法はこの3つが主です。
- ひたすら描く・書く
- 優先順位をつける
- 少しづつコツコツと身に付ける
解剖学の勉強方法や解剖学の必要性に疑問を覚えている人も、この記事を読んで実践していけば効果的な解剖学の勉強法を身につけることができるでしょう。
下記の記事は臨床に出て気付いた勉強方法です。参考にしてください。
解剖学を覚えるための3つの勉強方法
理学療法士や作業療法士として活躍するためには人体の勉強が必須です。なぜなら、理学療法士や作業療法士のセラピストは触ることで的確な評価や治療ができるようになるからです。
本を読んだり、話を聞いただけで覚えられる人もいますが、一般的には予習や復習を繰り返して知識を身に付けていく必要があります。
私は学生時代から解剖学を勉強したことで将来的に頭の中で人体がイメージできるようになっていたいと思っていました。そのために解剖学の勉強方法は3つを意識して行いました。
それが以下の3つです。
- ひたすら描く・書く
- 優先順位をつける
- 少しづつコツコツと
1つずつ解説していきます。
①ひたすら描く・書く
まずはひたすら描いて・書いて頭の中に人体を叩きこみましょう!やり方は教科書の絵や図を紙に描いてそれぞれの名称も書きこみました。
なぜなら、解剖学は暗記科目なので、特に法則や公式があるわけではないため、量をこなすことで覚えることができるからです。しかし、身に付けていくためには量だけでは不十分で質も大切になります。
質を高めるためにまずはじめは丁寧に絵を描いていました。声が出せる場所であれば名称を声に出しながら描いた絵に書き込んでいました。そうして、何回も丁寧に描くことで脳に記憶させていくように意識するのです。
この方法は脳を至る所に刺激を入れています。
2つ以上の絵をつなげて描く
各々の骨や筋の名称を覚え始めたら2つ以上の骨を描いて関節を意識していきましょう。
なぜかというと、解剖学を臨床で活用する場合は全身のつながりを見ていく必要があるからです。
関節まで覚えられるようになると上下肢と体幹、頭部を繋げられ、骨模型のように全身を描けるようになっています。
全身の筋肉や関節が描けるようになれば神経や血管、内臓も繋げていきましょう。
パートに分けて復習する
上記までの流れを一日だけで満足してはいけません。
人の脳みそは良く出来ていて必要のないものを忘れていくため、継続していく必要があります。
覚えたことを忘れないために最初よりは雑ですが、特徴の捉えた絵を描いて復習していました。
私の場合は月~金曜日の平日の授業の空き時間に上肢、下肢、脊柱・骨盤、頭部と4つのパートに分けて1つのパートを復習し、週に一回は頭に叩き込む時間を心掛けていました。
②優先順位をつける
解剖学は骨だけを覚えればいいわけではないです。
筋系、内臓学、脈管系、神経系、感覚器などがありますね。
結論から言うと、順番は骨系が最優先で、その次に筋系が優先だと考えています。
なぜなら、神経や内臓などは全身を構成する骨が分からないと走行や位置が分からないからです。
最初は骨から覚えよう
上記でも述べましたが、骨から覚えることで筋肉の起始停止や神経の走行、内臓の位置が理解できます。
また「殿筋粗面」や「脛骨粗面」など、骨構造を覚えるだけでは理解しにくかった名称に筋肉の付着や神経が走行をします。
つまり、骨から覚えると、他の構造との繋がりが見えてくるのです。
特に私の場合、筋肉の起始・停止がイメージしやすくなりました。
ちなみに筋肉や神経、血管の走行、内臓の位置などは描くたびに骨を描くことになり、骨の良い復習となります。
残りの優先度は?
残りの優先度は職種によって変わるかもしれませんが、筋系、神経系を優先することがおすすめです。
というのは、骨・筋系・神経系を理解出来ると運動の仕組みを理解しやすくなるからです。
簡単にですが、骨・筋系・神経系を優先する理由を述べます。
2つの骨を筋肉が繋いで収縮・弛緩をすることで関節運動が起きます。
その運動が起きるよう命令を伝えるのが神経系で末梢神経-中枢神経間を情報が行き来します。
つまり、運動を理解するのに大切だからです。
理学療法士や作業療法士の場合は骨系・筋系・神経系を学ぶことは「運動学」への理解が深まりやすくなります。
そのため、骨の次は筋系・神経系を優先して学習しておくといいでしょう。
すべての解剖学的知識は大事です
内臓系や脈管系、感覚器の覚える順番は実際に勉強してみて覚えやすいところから始めるといいでしょう。
内臓系や脈管系、感覚器も身体を理解するには必要な知識です。
なぜなら、解剖学は生物体の正常な形態と構造を研究する部門だからです。
つまり、正常体の機能(はたらき)を学ぶ生理学などの他の部門と合わせて理解する必要があるのです。
下記の記事は「解剖学を理解する」に焦点を当てた内容になっていますので参考にして下さい。
③少しづつコツコツとやる
3つ目の勉強方法は少しずつでもいいのでコツコツとやることです。
なぜなら、コツコツと行うことで一時記憶から長期記憶へ移行するから。
「
脳には、二種類の違った記憶がある。 作業記憶と長期記憶だ。作業記憶で行う情報の保持は一時的なものだ。一方、長期記憶では情報をもっと永続的に保持する。情報が作業記憶から長期記憶に移されて初めて、本物の学習になる。 「そんなことは言われなくても分かっている」と考えると思いますが、実行できていないのではないでしょうか? コツコツ行うポイントはいつも同じ時間で勉強する時間を作ることですね。 私の場合は「ながら勉強法」という方法が効果的でした。 ながら勉強法とはその名の通りで「~しながら勉強を並行して行う」方法です。 私は「移動しながら勉強する」という通学の電車内がその時間にあたりました。 電車の中では解剖学の教科書を開くのは大変なので、ルーズリーフに描いた絵で復習をしていました。 電車での移動時間は40分程度ですので、平日の5日間を毎日復習することで1週間に200分も時間を作ることが出来ます。 他には授業の合間の空き時間を勉強の時間に充てました。 この方法のおかげで土日や夜はバイトや遊びなどの時間ができました。 上記の私の方法を参考に自分の一日の使い方を振り返ってみましょう! 新しく勉強の時間を作る必要はありません(作っても良いですけど)。 いつもの生活に並行して勉強ができる行動がないかを確認してみてください。 私のように電車内の移動かもしれませんし、入浴時かもしれません。 一人暮らしであれば家事動作をしている時も作れるかもしれません。 時間をみつけてコツコツと勉強することが解剖学の勉強には大事だと感じています。 今回の解剖学の勉強方法をおさらいしましょう! 是非、参考にしてみてください。 自分なりの勉強方法を身に付くと勉強が楽しくなりますよ。 楽しいとどんどん知識を吸収できます。 最初が肝心ですので、乗り越えていきましょう。まとめ