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理学療法

首が痛いけど背中をほぐしたら首の痛みが改善された話

「首が痛い」

現代社会で肩こり・首こり、腰痛は問題視されていることをよく耳にします。

実際にリハビリに来ている患者さんも「肩こりがひどくて…」、「首がこってて…」と悩まれる方が多いです。

今回は、交通事故で後ろから追突された際に首を痛めてしまった方に対し、背中からアプローチしたところ首の痛みが改善した話をしていきたいと思います。

結論から言うと身体構造を理解して姿勢を評価し、身体の繋がりを考えるべきということです。

この記事を読むと、明日からの臨床の参考になると思います。

症例

  • 男性 50代
  • 運動業(トラック)
  • 車に乗っているときに後ろから追突された
  • 右頸部~肩にかけて痛みあり
  • 左側屈や左回旋は右頸部~肩の痛みにより困難
  • 上肢へのしびれはなし
  • 力の入れにくさはなし
  • 腰痛の自覚はなし

【治療】どんなことをしたの?

座位での姿勢修正と臥位で胸椎・腰椎周囲筋のリラクゼーションを行いました。

座位での姿勢修正

座位の姿勢評価

理学療法を始める前に毎回、座って問診をしています。

初回では受傷機転や痛みの部位や程度などの情報収集をし、2回目以降は前回から変化を聞いています。

問診中は自然な座位であることが多く、普段の姿勢を見ることが出来ます。

症例の場合は頭頸部がやや前方偏位、胸椎後弯増加、腰椎はやや前弯増強、前額面は左右差なし、座位姿勢をとっていました。

鏡を見たりして、自分の姿勢から理想の姿勢(正しいアライメント)に近づくよう姿勢を正しズレを自覚してもらいました。

胸腰椎周囲

脊柱起立筋のリラクゼーション

腹臥位で脊柱起立筋に対し、リラクゼーションを行いました。

時に胸椎・肩甲骨間は圧痛を感じていました。

胸椎伸展、肩甲骨の可動性改善

側臥位や座位にて肩甲骨の可動性を改善しました。

特に肩甲骨が外転位となっており内転方向への動きが不十分でした。

併せて胸椎の伸展方向への可動性改善を図りました。

方法は両方の肩甲骨の内側を脊柱に近づけるよう指導しました。

そして生活の中で、姿勢を気にかけるよう指導していました。

【考察】なんで改善できたの?

冒頭で伝えたように身体構造を理解して姿勢を評価し、身体の繋がりを考えられたことが大きいです。

初回のアプローチは効果今一つだった

実は初回介入時は頸部のみしかアプローチしませんでした。

2回目に来院時に話を聞くと「終わった後は楽だったけど夜には戻ってしまった」とのことでした。

これを聞いて頸部を行うと改善は得られるけど根本的な解決をしていないのではと考えました。

2回目以降は姿勢修正と背部も含めたアプローチへ

次に考えたことは受傷時の姿勢でした。

車に乗っているときに後ろから追突されたので、首だけでなく、身体全体に衝撃が走り、強く身体を固めてしまったはずです。

また、座位姿勢を見てみると胸椎の後弯が増強しています。

胸椎の後弯が増強してれば頸椎は前弯し、頭部が落ちないように頸部の伸展筋で止めます。

つまり、頸部にアプローチして良くなっても胸椎の後弯を修正しない限り、再び同じように痛めてしまうのです。

そのため、胸椎後弯の増強を改善し、座位姿勢を整えたことで頸部の治療アプローチが効果的になったと考えます。

この症例の方は最終的には首の痛みがとれて動かせるようになったため終了することが出来ました。

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回の症例のポイントは

  • 身体構造を理解して姿勢を評価し、身体の繋がりを考えること
  • 受傷機転の状況を把握すること

です。

上手くいったことがあれば今後も報告していきたいと思います。

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aokazu
理学療法士10年目 整形外科クリニックで理学療法を行ってます。 今まで働いてきて思ったことや感じたことなどを伝えていきます。 私の疑問があなたの疑問を解決できることを目指していきます。