『アナトミートレイン』という言葉は知っていますか?
アナトミートレインとは12本の筋筋膜経線体系のことです。
筋筋膜経線…接続した1本の筋膜または筋筋膜構造物。
筋筋膜経線が12本の内の1本のアナトミートレインということです。
セラピストやトレーナーの中では有名だと思っています。
2009年に初版訳が出たわけですが、今になって勉強を始めました。
何となく筋や筋膜の繋がりを解説しているということは知っていましたが、それだけでは臨床では活かされませんでした。
そして、12本ある中の1本「ラテラルライン(LL)」の勉強をした後、成果を感じることが出来ました。
今回は患者さんのラテラルラインに沿ってアプローチをして効果が出た話をしていきます。
どんな人に対して効果が出せたの?
股関節外転筋・外旋筋が硬い人
臥位で触ったり、動かしたときに股関節の外側が硬かった人に対してLLのアプローチをしようと考えました。
なぜなら、LLの機能が外側から身体を安定させているからです。
LLの運動機能
LLは、体幹側屈、股関節外転、足外反など、身体の側方運動の発現に関与し、体幹の外側運動や回旋運動の「ブレーキ」としての調節機能を持つ。
アナトミートレインー徒手運動療法のための筋筋膜経線 第3版 医学書院
股関節外側が硬いということは常に「ブレーキ」をかけてしまっているのではないかと考えたのです。
アナトミートレインという名前のように「列車」の要素があります。
路線上に何か異常が起こると列車を遅延してしまいます。
つまり、股関節外側の硬さが機能を低下させていると考えたのです。
姿勢機能
LLは身体の外側で体幹と下肢を協調的に安定化させ、動作するときに身体が崩れるのを防ぐ役割があります。
何をしたの?
ストレッチとマッサージ
LLの走行に沿って、足部の方からストレッチやマッサージを行いました。
特に、筋膜の路線である腸脛靭帯や外転筋、大殿筋に対して行いました。
特別な手法は使いませんでした。
LLに沿ってアプローチしていると特に腸脛靭帯が開始時に触診したときよりも硬さが軽減してたのです。
歩行安定性向上
ストレッチとマッサージ後は歩行が安定していました。
これは患者さん自身も実感できていました。
LLの機能が改善したので、側方の安定と体幹・下肢の協調性を改善することが出来ました。
そのため、立脚前期~中期にかけての支持性が安定し円滑になったのです。
おわりに
いかがだったでしょうか?
アナトミートレインの本は内容がやや難しいと感じますが、12本を一気に覚えるのではなく1本ずつ覚えて実践することで身についていきます。
他のラインも勉強中ですので、今後、効果があった症例があれば伝達していきます。
今回は【アナトミートレイン】ラテラルラインに対してアプローチしたら効果的だった話でした。