- 理学療法士・作業療法士の資格が取れたけど臨床で使える技術がない
- 資格をとったけど、これからどんな勉強をしていけばいいのか分からない
- いま持っている技術をアップグレードしたい
これらの悩みは研修に参加することで解決できるかもしれません。上記の悩みは私が新人の頃に悩んでいたことです。同じように悩まれているあなたに10年の臨床で働いている私の経験を参考にしてもらいたいです。
研修やセミナーの多くは週末に開催されています。また、平日でも仕事終わりの時間からナイトセミナーを開催している団体も増えています。さらに、オンラインセミナーや動画配信サイトも増えており、今までとは違い研修の受け方も多岐にわたっています。
研修の一番大事な目的はスキルアップですが、参加することで他のセラピストや講師との交流がとても良い刺激になります。
特に新人の時は積極的に参加した方がおすすめです。そこで月に1度、様々な研修に参加していた私が研修に参加するための心得をお伝えしたいと思います。
結論から言うと新人の場合ははじめに触診の研修に参加して触る技術を身に付けることをお勧めします。その後、治療の実技や知識の研修に参加することをお勧めします。
いますぐに勉強したい人はリハノメを利用しましょう。
研修で理学療法士・作業療法士としての能力を上げよう
理学療法士や作業療法士などのセラピストは相手の身体に触れて評価することが最大の強みです。触らないで評価をするなら医師やほかの職種の人でもできてしまいます。
私の場合、学生時代から触る技術に不安があったので、新人の頃は触診の研修に多く参加しました。触診技術が身について身体の構造が理解できると治療技術への理解もしやすくなります。また、座学の知識もなぜ必要なのかを理解できると、身に付きやすくなります。
そのため、新人セラピストの場合は基礎的な研修からはじめて、その後に治療技術や座学の研修に参加することがおすすめです。
研修やセミナーは一日がかりの場合もあり疲れてしまいますが、高い費用も払っているため、内容をしっかり吸収しなくてはと思う分、職場や自己での勉強より集中できます。
研修に参加するお勧めの手順
- 触診の研修
- 実技研修
- 座学研修
触診技術が身につけば、治療技術も獲得しやすく理学療法士・作業療法士としての信頼を得られます。
さらに理解を深めるために座学の研修で最新の情報や自分では気づかなかった情報を吸収しましょう。
触診技術があれば治療技術にもつながっていく
もし、どんな研修に参加すればいいのか分からない場合は触診の研修やセミナーに参加してみましょう。
なぜなら、筋肉や骨の触り方が分かると的確な評価や治療がしやすくなるからです。触り方も分からないと治療技術も理解しにくいです。そのため、まず触診技術を身に付けることで治療技術への深い理解が得られ、様々な臨床場面に対応できるセラピストになります。
さらに、講師の先生は私たちよりも様々な臨床を経験しているので触診の研修内容に付随して触診技術を使った治療アプローチを教えてくれることがあります。
セラピストとして治療に必要なことは知識と技術の他に経験です。先輩セラピストのように的確な治療ができることにあこがれてしまう新人がいますが、先輩との差は経験値の差です。
研修に参加して触診技術を向上することで、様々な経験を手に入れましょう!
考え方や臨床技術が欲しいならテクニックの研修へ
「~~アプローチ」や「〇〇法」のような名前がついている研修会名に参加するとその技術や方法の詳しい内容を身に付けることができます。
資格を取る場合は複数回研修に参加する必要があります。1つでも治療技術を持つと臨床で大きな武器になります。また、資格まで取れればセラピストとしてのアピールポイントにもなります。
しかし、その治療技術がどんな人でも効果があるような万能なものではないことを理解しましょう。学んだ治療技術をいくら行っても問題点を間違えれば効果は出ません。
あくまでも1つの治療手段としてテクニックを身に付けていきましょう。他の治療テクニックを使っても何も問題はありません。私たちが必要なことは患者さんや利用者さんが良くなることだからです。良くするための1つの手段として用いていきましょう!
知識が欲しいなら座学の研修へ
臨床を経験していくと、知らないことがどんどん見つかります。例えば、私の場合は「リスク管理」でした。
私の場合、「土肥・アンダーソン中止基準」を学校で習いました。もしかしたら、今の学生さんも習うのかもしれません。
では、なぜ中止基準の超えての運動は行っていけないのかを考えたことはありますか?
臨床場面では中止基準を超えるまでの生理機能の過程を理解する必要があるのです。そのため、リスク管理の研修会に参加して適切なリハビリ介入ができる知識を身に付けました。
他にも投薬や手術の術式への理解で困った場合は研修に参加することで必要な知識を得ることができます。
研修会を見つけるおススメサイト
研修会は様々な場所や時間で開催されています。団体名を知っていればホームページやメルマガなどから参加する方法があります。しかし、研修を参加したことがない場合は以下のサイトから研修を探しましょう。
- 日本理学療法士協会
- PTOTSTネット
- リハノメ(動画配信サイト)
日本理学療法士協会
日本理学療法士協会には学会や新人教育プログラム、専門・認定療法士資格のための研修などがあります。そのため、研修や学会に参加すると、ポイントを貰うことができます。新人教育プログラムや専門・認定の資格取得のためのポイントであるため、専門性を高めるモチベーションになります。
新人教育プログラムに関してはe-ラーニングで視聴環境があればどこでも受講できるようになっており、私が新人であったころよりも便利になっています。また、学会参加なども日本理学療法士から申し込みをすることになります。
まずはどこから研修を受ければいいか分からない、または研修の雰囲気を知りたいのであれば日本理学療法士協会が主催する研修を受けてみましょう。
研修会の調べ方は日本理学療法士協会のホームページから「講習・研修・学会」をクリックして、「セミナー検索画面」で検索しましょう。
PTOTSTネット
PTOTSTネットは日本理学療法士連盟 会長代行(R2~)も行っている友清直樹さんが代表をしています。はじめは個人サイトだったのですが、現在では法人化しており、様々な研修を紹介しているサイトに発展しております。また、掲示板や求人もあり、セラピストの情報を一度に知れるサイトになっています。
触診や治療テクニック系の研修やセミナーはPTOTSTネットから探すのがおすすめです。なぜなら、学会・研修会を探す際に「カレンダー」を押すとその日の研修やセミナーを一覧できるからです。そのため、平日でもナイトセミナーがあることを知れたり、土日の研修で興味のある分野での研修が近くで開催されることを知ることができます。
PTOTSTネットでもオンラインでのセミナーが掲載されていますが、後述する動画配信サービスと違い、指定の日時を過ぎると視聴が出来ない場合があります。また費用も5000円から10000円など何度も参加することはできませんので、行きたい研修をカレンダーで一覧で見ておくことを勧めます。
リハノメ
セラピストに特化した動画配信サイトはいくつかありますが、理学療法士協会のクラブオフで会員割引もあるリハノメがおすすめです。
リハノメは合同会社geneが運営しています。株式会社geneは東京・大阪・名古屋を中心に、年間360本ものコメディカルスタッフを対象としたセミナーを企画・運営している会社です。
リハノメはサブスクリプション(定額制)で、期間内であれば動画が見放題。つまり、移動せずに研修が受けられるからです。さらにPT・OT・STそれぞれのテーマが更新されています。
特に、新人のセラピストが臨床に行き詰まった時に利用すると、知識の幅が広がり、解決する方法を身に付けることができるようになるでしょう。経験年数のある人でも研修を探すのに時間をかけるなら定期的に更新されるリハノメを利用することで常に知識や情報のアップデートができます。登録する際の注意点や登録方法は下記で解説しています。
まとめ
研修やセミナーの参加はセラピストを成長させる大きなきっかけになります。そのため、参加する研修も自分の足りないものや伸ばしたいものを自覚してしっかり選ぶ必要があります。
今回はどんな研修に参加すればいいか悩んでいる人に対して解決するような記事を書きました。以下で再確認しましょう。
- 何を学びたいか決まっていないなら、まずは触診技術を上げて評価や治療を正確にしよう
- 身に付けたい技術やテクニックがあれば治療技術の研修に参加して結果を出せるセラピストになろう
- 研修の調べ方はたくさんあります。今回は3つ紹介しました。理学療法士協会、PTOTSTネット、リハノメの3つです。自分に合ったサイトを見つけてどんどん成長しましょう。
最後に、身に付けたものは職場で実践して忘れないようにしましょう!