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理学療法

8年理学療法士として働いて感じた解剖学の重要性

解剖学は医学の基礎として大事な分野です。

あまりの量の多さに学生時代、「解剖学や生理学なんて理学療法士の仕事だと骨や筋肉や神経くらいしか使わないでしょ?無駄に全部覚える必要ないでしょ。」

と勉強範囲の広さに愚痴をこぼす人もいるでしょう。

しかし、8年間を理学療法士として働いてきて振り返ると良い治療をするためには解剖学の知識が必要だと考えを改めました。

そこで今回はどのようなところで解剖学が必要に感じたかをまとめていきます。

この記事でわかること

  • 臨床の中で解剖学が必要な場面
  • 意外な場面で必要になることもあります
  • 勉強はいつからやっても遅くない

以前書いた私の解剖学勉強法も参考にどうぞ。

【役に立つ】私の勉強方法【解剖学編】理学療法士を目指していた学生時代にどのように解剖学を身に付けてきたのかをお伝えします。...

解剖学は臨床で必要なの?

療法士として働く以上、解剖学の知識は必須です。

しかし、学校の授業を受けていると必要じゃないと感じるときもあったのではないですか?

例えば、内臓。

内臓アプローチという技術はありますが、入院リハビリを行っている場合は基本的に理学療法は基本動作レベルの向上が目標となります。

つまり、立つ、歩く、座るなどの生活するうえで必要な動作を安全にできるようにすることです。

そこに内臓の構造までを考える必要はありません。

しかし、次のようなことを考えられると治療の幅が広がるかもしれません。

身体全身が繋がっていると考えると

わざわざ内臓の構造まで覚えなくてもある程度はリハビリの効果は期待できます。

しかし、筋力が増強できなかったり、可動域が改善できなかったりした場合は別の視点でも考える必要が出てきます。

内臓の位置と構造を考えてみると多くは腹部に位置し腹部や背部の膜が覆い、上下しないように固定されています。

体幹が安定するためのインナーマッスルである腹横筋や腹斜筋は腹膜と連結をしています。

内臓と膜が癒着して滑走性が低下しているとインナーマッスルが働きにくくなり体幹が不安定になってしまうのです。

つまり、より効果的に治療を行うためには内臓の解剖も必要であり、治療の対象となり得るのです。

上記の例のように患部を評価するだけでなく全身も評価していくためには解剖学の知識が重要です

画像所見

レントゲン画像を見るときにも解剖学の知識が必要です。

変形性膝関節症を例に挙げてみると

  • どこが変形しているか?
  • 大腿頚骨角(FTA)は正常範囲か?内反位か?外反位か?
  • 骨棘が認められるか
  • 関節裂隙が確認できるか?
  • 膝蓋骨の位置は正常か?

など正常の膝関節を理解していないと問題点を見つけることができないのです。

大腿脛骨角(FTA)とは?

大腿骨の中央を通る線と脛骨の中央を通る線が交わる外側の角度のことです

この角度がわかると膝が内反外反かがわかるようになります。

正常は約176°で生理的外反となっています。

180°以上の場合は内反となり、いわゆるO脚と呼ばれます。

176°以下の場合は外反となり、いわゆるX脚と呼ばれます。

膝の変形を確認するために重要な指標の一つです。

画像を見るたびに参考書を用意できればよいですが、仕事中にゆっくり見ている時間はないです。

そのため、画像所見の確認のためにも解剖学の知識は必要なのです。

身体のことをよく聞かれる

病院やクリニックで働いている療法士の場合、ほかの医療スタッフよりも患者さんと接する時間が長いです。

そのため、家族の話や趣味の話などを聞かせてくださることがあります。

そのような会話の中で自分の体の不調や周囲の人の不調、TVでこんな健康法をやっていたなど医療従事者としての意見を聞かれることがあります。

そこで、わかりませんと答えるよりも、療法士として何か答えることができれば信頼関係が良好になっていきます(でたらめはダメですが)。

主に体の不調なので、便秘や浮腫みについて聞かれることが多いです

内臓や脈管系の解剖学知識と生理学知識で出来るだけ答えてあげられるようにしましょう。

他にもこれはなんですか?っと部位を押しながら聞かれることがあります。

それが骨なのか、筋なのか、靭帯なのか、それ以外なのかを勉強をしていない人には判別するのは困難です。

解剖学知識を持った療法士が触診をして答えることで、信頼されるきっかけになります。

学生のはじめにならう

初めにも書きましたが、解剖学は医学の基礎的な分野です。

そのため、専門基礎分野で一番はじめに習うはずです

つまり、基礎である解剖学ができなければ療法士として活躍できないのです。

覚えるのが難しい

私も解剖学の勉強量の多さに戸惑いました。

しかし、「国語や数学などの高校生までの勉強とは違く分野の勉強になるので、その分野に関しては優劣はなくスタートは皆横並びで一緒だよ

と学校の先生が言ってくださり、この言葉がモチベーションになりました。

もちろん今までを勉強してきた人ほど情報処理能力が高かったり、勉強の仕方が上手でインプット・アウトプットができるかもしれません。

医学の勉強スタートはほとんどの人が高卒以降なので横並びです。

学生の場合は医学の勉強は4年未満の勉強時間のはずです。

勉強歴が短い分、今からでも勉強すれば追いつくかもしれません。

やり方がわからなければできる人のまねをしたり、私の記事を参考にしてください。

終わりに

いかがだったでしょうか。

実際に働いているセラピストからの意見で解剖学の重要性が分かっていただけたら嬉しいです。

私もまだ不十分なところを感じており、日々時間を見つけて勉強しています。

勉強したことが成果となってわかると仕事も楽しくなると思います。

以上、「8年理学療法士として働いて感じた解剖学の重要性」をお送りしました。

ABOUT ME
aokazu
理学療法士10年目 整形外科クリニックで理学療法を行ってます。 今まで働いてきて思ったことや感じたことなどを伝えていきます。 私の疑問があなたの疑問を解決できることを目指していきます。