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理学療法

【こんな考えを知っていましたか?】きっとあなたの腰痛治療に役立つ知識【運動器疼痛症候論】

現在、私は都内の整形クリニックで理学療法士として働いています。

理学療法士として働くのは8年になります。

8年間には腰痛で苦しんでいる方もリハビリしてきました。

そして、このような経験をよくしました。

腰椎椎間板ヘルニアでリハビリ介入指示が出る

リハビリ介入(生活指導、自主トレ指導)

腰痛がなくなった

上記を読んで、「当たり前だろ」と感じた人もいるのではないでしょうか。

そう思われた方もここで考えて欲しいことがあります。

それは

  • 本当に腰痛だったのか?
  • 画像所見と症状が一致していたのか?
  • そもそも理学療法でヘルニアは治るものなのか?
  • 医師の診断と理学療法士の見立ては一致しているのか?

ということです。

実は私もある本を読むまでは「当たり前だと」思っていた人でした。

しかし、今回紹介する本を読んだ後では考え方が変わりました。

そして、臨床で成果を出すことができました。

その本が下の本です。

こんな人に特におすすめです

  • 腰痛の知識をつけたい
  • 腰痛の治療に手ごたえを感じていない
  • 根拠ある治療方法を増やしたい
  • 他職種の腰痛に対する考えを知りたい

それでは、考え方が変わった理由をお伝えしていきます。

なるほど!!

と思ったら是非購入して実践してみてください。

整形外科医がコメディカルに向けて書いた本

私は今までも腰痛に関する本を読むことや、セミナーに参加して知識をつけていました。

しかし、思い返してみると読んだ本もセミナーの講師も理学療法士だったのです。

つまり、理学療法士の世界しか知らなかったということです。

そして、この本は整形外科医がコメディカルに向けて書いた本なため、医師から見る腰痛の考え方が分かります。

さらに整形外科医とコメディカル以外にも他職種(ペインクリニック医、慢性痛専門医、心療内科医、精神科医)の立場からの腰痛の見方も述べていてそれぞれの違うところに視点の重きを置いていることを知りました。

そのため、理学療法士が腰痛の分野で関わる役割がはっきりと分かるようになりました。

また、第6章では理学療法士である園部先生による「運動器疼痛症候論に基づく理学療法」がかかれており、運動器疼痛症候論を用いた臨床を実践できるようになっています。

この本の強み

各専門職からの腰痛の見方

上記で書いたようにそれぞれの立場の違いによって、腰痛の見方が違うことが書かれています。

一部を引用させてもらうと

・整形外科医は

構造的異常と局在診断を重視する。

・ペインクリニック医は

感覚神経系の機能的異常を重視する。

・慢性痛の専門医は

疼痛コントロールを重視する。

・心療内科医と精神科医は

痛みの認知過程と精神療法を重視する。

・コメディカルは

運動器の機能的異常と運動療法を重視する。

腰痛の原因と治療 運動と医学の出版社 P.13

整形外科医とコメディカルだけの所を抜き取ってみても重視するポイントが異なっています。

4つの腰痛の病因論

「腰痛の治療と原因」では治療の主体となる体組織あるいは機能的異常から、4つの病因論に大別しています。

腰痛の病因論…

腰痛の原因や発生機序を究明するもの。

その4つとは

  1. 局在論
  2. 運動機能不全論
  3. 神経筋能不全論
  4. 心因論(非器質的病因論)

です。

先に言ってしまうと、私たちセラピストはこの4つの病因論の中で運動機能不全論に基づいて治療をしています。

これから4つの病因論の簡単な説明を書いていますが、他の3つの病因論も腰痛治療にとても重要な考えです。

この考えを知らずに運動機能不全論だけで腰痛に対して治療をしているたため、なかなか腰痛が改善しなかったり、また勝手に腰痛が改善したりしていました。

この4つの病因論を知っているかどうかで腰痛に対する考え方も変わっていくはずです。

①局在論

局在論とは、腰痛の一時的な原因となる器質的な病変部位が、腰部体組織に限局性領域として存在するという考え方でる。

腰痛の原因と治療 P.18  運動と医学の出版社

内服薬、貼付薬、手術、徒手療法などの治療はこの局在論にもとづく治療方法です。

腰部組織の異常が、脳に伝えられて痛みとして感じるという古典的な疼痛理論を基盤とする治療体系です。

そのため、局在論は診断がしっかりと確実になっていないといけません。

しかし、腰痛で調べるとよく聞くのは「腰痛の85%は非特異的腰痛」というものです。

非特異的腰痛とは…

原因が特定できない、あるいはされていない腰痛のこと。

脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなどの痛みの原因が特定できる腰痛は特異的腰痛と呼ぶ。

つまり、腰痛の原因は不明ということですね。

困ったことに85%の非特異的腰痛の中には徹底的に検査を行ったうえで非特異的腰痛と診断されているわけではないのです。

そのため、「椎間板ヘルニアの侵害受容性疼痛・炎症性疼痛が理学療法によりなぜ改善されるのか?」は局在論では説明ができないのです。

②運動機能不全論

運動器の静的異常(形態学的異常)あるいは動的異常(機能的異常)が腰痛を起こすという理論が運動器機能不全論である。

腰痛の原因と治療 P.20  運動と医学の出版社

局在論では局所的な病変(椎間変性やヘルニアの突出など)を追求していましたが、運動機能不全論はアライメント異常や筋力低下、筋緊張亢進などの機能異常の視点から腰痛の機序を考えています。

リハビリテーション医学、理学療法学、スポーツ医学や多くの民間療法で主流となる腰痛の病因論。

理学療法もこの病因論が主として考えられてきているため、整形外科医(局在論)とは見ている視点が違うのが分かります。

運動器機能不全論の問題点は疼痛学の観点からあります。

それは

運動機能不全がなぜ痛みを起こすのか、神経科学的機序が分からないということです。

そのため、運動機能不全に基づいている理学療法の今までの考え方では腰痛への考え方が不十分であると言えます。

③神経機能不全論

神経機能不全は感覚神経系の疼痛調整機能の異常のことであり、疼痛学の用語である。

具体的には神経系における病的な感作状態と抑制作用の機能低下のことである。

腰痛の原因と治療 P.21  運動と医学の出版社

※感作については下で書いていますので、参考にしてください。

引用文にも記載しているように神経系における病的な感作状態と抑制作用の機能低下が神経機能不全と表します。

一方、

腰部脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなどの器質的病変が原因の場合は神経障害性「疼痛」であり、「不全」とは表さないようです。

抑制系の機能低下は簡単に例えると運動時や興奮時のアドレナリンです。

興奮・緊張・精神集中度の高い状態では痛みに抑制をかけています。

そのため、何らかの原因で抑制系が機能不全になると痛みが過剰に感知してしまいます。

④心因論(非器質的病因論)

心因論は、局在病変、運動器機能不全、神経機能不全が原因ではない場合に考慮すべき病因論である。

どの分野の治療者であっても腰痛診療においては、心因論の知識及び治療スキルが必須となる。

腰痛の原因と治療 P.23  運動と医学の出版社

心因論は上記で述べた3つがすべて当てはまらなった場合に考えられます。

痛みがあっても、検査所見では何も問題がないということは私も臨床で良く経験しています。

検査所見で問題がない痛みを解決するためには心因論の知識を学ぶ必要があります。

「運動器疼痛症候論」とは

この本には表紙にもあるように「運動器疼痛症候論」を提言しており考え方が書かれています。

運動器疼痛症候論とは何かを少しだけ書いていみます。

従来の整形外科の診断に足りなかったものを足したものとは

従来の整形外科の診断は解剖学、神経症工学、画像診断学で行っています。

その従来の評価に運動器疼痛症候論は疼痛評価、痛みの感作徴候、痛みの空間構造、体性感覚構造を加えたものです。

①疼痛評価

言語表現、部位、病期、ペインマップなどを用いて痛みの解釈をしていきます。

本書では「Super VAS」という新しい評価システムを紹介しています。

②感作徴候

神経系の感作に取り運動器が示す徴候。

正常な状態では痛みと感じないような刺激が、痛みとして感じられる神経系の機能的変化のことをいいます。

病的感作は強度的・空間的・時間的に過剰になった状態のことであり、車でいえばアクセルを踏みすぎている状態です。

③痛みの空間構造

運動器の病変部位が周囲の身体組織に感覚される仕組みに関する仮説。

病変部位に対して、痛みがどのあたりに、どの範囲で知覚されるかを空間構造として理解する必要があります。

④体性感覚構造図

身体の感覚構造がどのように分割されているかを表した図。

体性感覚構造はミオトーム、デルマトーム、骨節などがある。

従来の整形外科の診断に足すとどうなるか

上記の説明した4つの部分は従来の整形外科の診断で足りなかった部分と言いました。

では何に対して足りていなかったのでしょうか?

それが、

4つの病因論であると考えています。

従来の整形外科は主に「局在論」と少しの「運動機能不全論」です。

つまり、「神経機能不全論」と「心因論」に関しては検査に含まれていないのです。

そこで検査を加えることで「局在論」以外の病因論も取り入れた結果が出せるようにしているのです。

  • 感作徴候(神経機能不全論)
  • 痛みの構造感覚(局在論、運動機能不全論、神経機能不全論)
  • 体性感覚構造図(運動機能不全論、)
  • 疼痛評価(4つの病因論すべて)

この4つの検査と病因論を取り入れた運動器疼痛症候論に基づいた理学療法は園部先生が第6章で書いてくれています。

最後の章で、序章~5章までの情報を6章で理学療法の知識に落とし込んでくれています

終わりに

いかがでしたでしょうか?

この本を読むことで腰痛治療に対して足踏みをしてしまっているあなたもきっと前へ進みだせるはずです。

私はこの本を読む前は腰痛で悩んでいる人に対してその場では改善しても次に来た時に痛みが戻ってしまっていたことが良くありました。

読んだ後は上記の評価をしっかりと行うことで痛みの部位、程度、症状を知ることができ、的確な治療が出て腰痛改善を図ることができました。

腰痛治療に悩まれている人には読んでおいて得しかないので是非、読んでみてください。

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ABOUT ME
aokazu
理学療法士10年目 整形外科クリニックで理学療法を行ってます。 今まで働いてきて思ったことや感じたことなどを伝えていきます。 私の疑問があなたの疑問を解決できることを目指していきます。