都内整形外科クリニックで働いている理学療法士のあおかずです。
「敏感すぎる人」いわゆるHSPという言葉はご存じでしょうか?
知ったきっかけはHSPカウンセラー武田友紀の『「繊細さん」の本』を読んだことでした。
HSPとは簡単に言えば様々な刺激を取捨選択できずに受け入れて、ストレスを多く感じてしまう人です。
あなたもこのような状況はありませんか?
・床にゴミが落ちていることに気付いたが、周りの人は気づいていない。
・自分の意見はしっかりとあるのに会議や発表の時にはうまく伝えられない。
・楽しかった休日も翌日は疲れて休みたくなる。
私も下記にある診断テストではHSPに当てはまりました。
元々、人見知りや内気な性格だと思っていたのですが、『「繊細さん」の本』を読んで心のモヤが晴れました。
おかげさまでストレスとうまく付き合って生活できています。
大事なことはHSPは病気ではなく、他の人より刺激に敏感な気質なのです。
今回はHSPの私が医療の現場で気付いた繊細な部分と対応していたかに着目して話をしてきます。
この記事を読み終えるとあなたはHSPを知りストレスとうまく付き合え、充実した生活を送れます。
また、今まで内気や人見知りだと思って過ごしてきたあなたのまさかの一面が発見できます。
それではどうぞ!
敏感すぎる人(繊細さん)とは?
アメリカの心理学者エイレン・アーロン博士が提唱したHSP(Highly Sensitive Person)という概念がベースになっており、日本語訳にすると「敏感すぎる人」と訳されています。
『繊細さん』著者のHSPカウンセラー武田友紀さんは親しみを込めて繊細さんと名付けています。
繊細な人は、光や音、相手の気持ちなど、他の人が気づかない小さなことにも良く気づきます。感じる量が多いため、疲れやすかったり、ストレスが体調に出やすかったりすることがあります。(「繊細さん」幸せリストp.5より)
そのため、私も著者に習って敏感すぎる人を繊細さん、そうでない人は非繊細さんと呼んでいきます。
アーロン博士によるといわゆる繊細さんは5人に1人の割合で存在することが明らかになりました。
重要なポイントとして繊細さんは病気ではなく生まれ持った気質ということです。
繊細さん診断テスト
アーロン博士によるHSP自己テストです。
少しでも当てはまるものは「はい」、まったく当てはまらないものは「いいえ」と答えてみましょう!
- 自分の取り巻く環境の変化によく気づくほうだ。
- 他人の気分に左右される。
- 痛みにとても敏感である。
- 忙しい日々が続くと、ベッドや暗い部屋などのプライバシーが得られ、刺激から逃れられる場所にひきこもりたくなる。
- カフェインに敏感に反応する。
- 明るい光や強い匂い、ざらざらした布地、サイレンの音などに圧倒されやすい。
- 豊かな想像力を持ち、空想にふけりやすい。
- 騒音に悩まれやすい。
- 美術や音楽に深く心動かされる。
- とても良心的である。
- すぐにびっくりする(仰天する)。
- 短期間にたくさんのことをしなければならないとき、混乱してしまう。
- 人が何かで不快な思いをしているとき、どうすれば快適になるかすぐ気づく(例えば席を変えたり、明るさを調整したりなど)。
- 一度にたくさんのことを頼まれるのは嫌だ。ミスをしたり物を忘れないようにいつも気をつける。
- 暴力的なTV番組や映画は見ないようにしている。
- あまりにもたくさんのことが自分の周りで起こっていると、不快になり神経が昂る。
- 空腹になると、集中できないとか気分が悪くなるといった強い反応が起こる。
- 生活に変化があると混乱する。
- デリケートな香りや味、音、音楽などを好む。
- 動揺するような状況を避けることを、普段の生活で最優先している。
- 仕事をするとき、競争させられたり、観察されていると、緊張し、いつもの実力を発揮できなくなる。
- 子供の頃、親や教師は自分のことを「敏感だ」とか「内気だ」と思っていた。
いかがだったでしょうか?
以上の質問のうち12個以上が「はい」で答えたあなたはHSPの可能性が高いです。
12個以内でも1つが極端に当てはまれば一部的な繊細さんかもしれませんね。
医療現場で感じた繊細な場面と対処法
『繊細さん』の本を読んで普段の生活でも繊細さんだと感じる部分もありますが、ここでは私が医療現場で感じた繊細な場面と対処法を伝えていきます。
意外と共感する人もいるかもしれませんね。
準備万端!でも本番では実力発揮できず
理学療法士の仕事には主治医や看護師などの医療スタッフとの話し合い(カンファレンス)や医療スタッフと家族との話し合いがあります。
どちらも理学療法士(リハビリ)からの意見を伝えていく場なのですが、相手にわかりやすく伝えていく必要があります。
そのため、話し合いの前に何を伝えるか、どうやって伝えるかを考えています。
しかし、本番では頭が真っ白になってしまうのです。
緊張しやすい性格ということも間違ってはいないですが、『繊細さん』を読んで気づきました。
それは相手の気持ちを無意識に察して、自分の意見と相手の気持ちの両方を汲み取って正解に導こうとしてしまうのです。
そのため、事前に準備した範囲以外での意見を求められると混乱してしまいます。
無意識に相手の気持ちを汲み取ってしまうのは繊細さんの特徴ですね。
私はこうした!
意見や質問を求められたときに間が開いてもいいので自分の中で考えることにしました。
すぐに答えてしまうと、最後にどう締めていいのかわからなくなるので、しっかり終わりを見つけてから話すようにしています。
いきなり新しい対応をお願いされる
私は現在クリニックで働いているのですが、リハビリは基本予約制をとっており、その時間に来てもらっています。
また新患さんは当日に空きがなければ翌日以降に予約をしますが、今日しかダメな方や松葉杖指導希望の方がいます。
その場合は上手く対応しなければなりません。
リハビリ介入時間は予約よりも時間が前後することはありますが、予定の時間より早く来る人がいるとプレッシャーを感じてしまいます。
ここでは診断テストにあった2つの状況が重なってストレスを感じます。
・短期間にたくさんのことをしなければならないとき、混乱してしまう。
・あまりにもたくさんのことが自分の周りで起こっていると、不快になり神経が昂る。
まさにこれです。
混乱して神経も昂っているので目の前のリハビリに集中できないなんてこともあります。
私はこうした!
不安が募るとどんどん混乱してしまうので問題を1人で抱え込まないようにしました。
例えば、
新患さんまたは予約の人に事情を説明し、待っていてもらう。
また、他のスタッフや助手さんに協力してもらう。
たったこれだけですが、1人で抱えているよりはずっと楽になります。
怒る人がいると気持ちが沈む
スタッフや患者さんで声を荒げている人やイライラしている人がいると自分にではないのに気持ちが沈みます。
病院やクリニックでは待合室が混んでいると怒っている場面を見ることがあります。
また、大声を出す人も萎縮してしまいます(怒ってなくても)。
同じスタッフや看護師、ドクターが虫の居所が悪いとピリピリとした空気を感じて居心地が悪くなります。
私はこうした!
「繊細さん」の本の中でも書いてありますが、その場所から避難して視界や耳に入らないようにしました。
患者さんが良くなるとこちらも幸せになる
繊細な気質は、マイナスだけでなくプラスに感じるときもあります。
例えば病院でリハビリをしているといつかは退院の日が来ます。
自分が担当をしていなくても入院した時に歩けなかった人が笑顔で歩いて帰るのは心が温まります。
その時の患者さんや家族、お見送りするスタッフの顔は素敵に感じます。
怒る人とは逆に幸せそうな人がいると気分が良くなり、幸せな時間を共有できるのです。
私はこうした!
退院されるときは看護師さんが声をかけてくれることがあるので、なるべく見送りに参加するようにしました。
小さな良いことでも嬉しく感じる
こちらもプラスに感じる場面です。
繊細さんは小さなことを見つけるのが得意です。
そのため、非繊細さんが気づかないことを見つけることができます。
私が医療の現場で嬉しく感じるのは後輩の小さな成長ですね。
1年目の後輩は業務や患者さんとの対応が不安でしたが、徐々に慣れて成長を感じます。
また、臨床場面でも自己学習をしていると感じられると私が嬉しくなります。
私はこうした!
後輩の成長が嬉しいので、業務後に勉強会や実技指導を行い、成長姿を近くで見ていました。
五感を使ってストレスを予防しよう!
『繊細さん』の本の中にはストレスの減らし方が載っています。
数ある方法の中で私がいいなと思ったものが「五感を使う」です。
五感とは視覚・聴覚・味覚・触覚・嗅覚を指します。
人によってどの五感が鋭いかは違うので、良く使う五感を見つけるところから始めましょう!
私の場合は視覚と嗅覚が鋭いようで、視覚に対してはコンタクトより眼鏡を装着して視界を制限し、刺激を減らすことができます。
また、目薬や昼寝ではアイマスクを付けて目のケアを行っています。
嗅覚はたばこ臭や納豆を放置した臭いにすごく敏感で、なるべく禁煙のお店を選んだりして臭いを回避しています。
納豆は好んで食べますが、食後に袋に入れて、放置しないようにしています。
また好きな香りのする芳香剤を使うと良いストレスを感じられます。
まとめ
いかがだったでしょうか?
この記事のおさらいをしましょう。
・あなたはHSPかも?HSP診断テスト
上記の質問項目に12個以上「はい」だとHSPと診断できます。
・医療現場で感じた繊細な場面と対処法
もしかしたら、皆さんも感じているかもしれません。
・鋭い五感を見つけてストレスを予防しよう
ストレスにうまく付き合うことで一日一日を充実して過ごせるようにしましょう。
この記事を読んでHSP(繊細さん)かを知りたい場合はHSPカウンセラー武田友紀著『繊細さん』を読むことをおすすめします。
繊細さんであれば感じすぎていたストレスを減らして充実した生活が送れるよう工夫することができます。
繰り返しますが、HSPは病気ではなく、繊細な気質なのです。
上手く付き合っていきましょう!
繊細さんの本はこちら
以上、【もしかしたらあなたも?】実は私、繊細な気質でした【HSP】