セラピストとして働くためには、動作分析はとても重要です。
以前の記事では動作分析の勉強方法をお伝えしました。
そして、今回は動作分析を理解するために役に立つ本を3冊紹介します。
おすすめする理由は私が読んで臨床に役立てているからです。
この記事では特にバイオメカニクスに興味がある人にはお勧めの内容となっています。
興味がなかった人も動作分析が出来るようになるための第一歩になるはずです。
ちなみに以前の記事はこちらです。
おすすめ本3冊
おすすめする3冊の本はどの本から手に取ってもいいです。
『ボディダイナミクス入門 立ち上がり動作の分析』
少し題名が違いますが、バイオメカニクスの入門編です。
この本は学生の頃に大学の図書館で借りて読みました。
仲間がバイオメカニクスに興味があると言った時に「バイオメカニクスって何だろう?」というきっかけで手に取ってみました。
内容も立ち上がり動作を観察して、なぜ体幹が前傾するのか?や、臀部がイスから離れるときの分析や離殿後の体幹の戻し方などをわかりやすく解説しています。
メリット
1つ目はページ数が少ないということです。
ページ数は102pと学生の私でもこれなら読んでみようと思えました。
これは当時、ボディメカニクス入門シリーズは3部作で構成されていて
- 『ボディダイナミクス入門立ち上がり動作の分析』Win版3次元動作分析CD-ROM付
- 『ボディダイナミクス入門 歩き始めと歩行の分析』
- 『ボディダイナミクス入門片麻痺者の歩行と短下肢装具Win版3次元動作分析』CD-ROM付
と立ち上がりと歩行とその他で分かれていたのがあったからだと思います。
この3作が統一されて、1つの本になっていたら当時の私は手を伸ばさなかったでしょう。
2つ目のメリットはCD-ROMが付録されていることです。
三次元動作解析の画像やグラフなどを本の内容と合わせてみることでより理解を深めることが出来ます。
大学で三次元動作解析の研究を手伝ったことがありますが、自分の歩行が解析されて結果を見るとしっかり床反力が働いていると実感することができ、より理解が深まりました。
デメリット
現在は3部作から2部作へリニューアルし、それに伴い、立ち上がりと歩行が一緒になってしまいました。
内容はあまり変わりないと思いますが、214pと倍以上にページ数が増えています。
新書で買うのは難しいと思いますが、古本であれば残っています。
また借りるだけであれば学校の図書館で借りる方法もあります。
新しい本も下に紹介しておきます。
『観察による歩行分析』
大学の先生に歩行分析でおすすめの本を聞かれると2冊教えてくれました。
一つが『ペリー 歩行分析』、そしてもう一つが『観察による歩行分析』でした。
先生からはペリー歩行分析の方が少し難しいと聞いていました。
私としては初級者でもわかりやすい本を望んでいたため、観察による歩行分析の本を選びました。
「歩行の各相の運動学と運動力学ーキーコンセプト」、「各関節の詳細」の目次項目は図と説明がシンプルで分かりやすいです。
この2つの目次項目を理解した後に他の項目を読めば歩行分析を理解できます。
メリット
ランチョ・ロス・アミーゴランチョ・ロス・アミーゴ方式での歩行分析は今も主流の考え方です。
学生時代に必ず勉強する運動学にもランチョ・ロス・アミーゴ方式での説明がされているところもあります。
また上記で挙げたペリー歩行分析のペリー博士から直接の指導を受けて観察による歩行分析の手法を確立させているのです。
そのため、ペリー博士の知識を取り入れた考えなのです。
臨床でもランチョ・ロス・アミーゴ方式での会話を行う場合があります。
自分で使わないと思っていても他セラピストが説明や申し送りで使うかもしれません。
そのため、勉強しておくと良いでしょう。
デメリット
この本の出版は2005年6月であり、2020年から15年前の情報ということです。
その間に歩行分析や動作分析関連の新しい本が何冊も出版されています。
しかし、根本的な歩行分析の用語と考え方は変わっていないので、初級者が理解するにはシンプルでいまだにお勧めできます。
動作分析 臨床活用講座 バイオメカニクスに基づく臨床推論の実践
3冊目は資格をとって社会人1年目に出会いました。
題名にあるようにバイオメカニクスに基づいた動作分析が勉強できます。
臨床に必要なバイオメカニクスも最初の方に載っているので、この本から勉強を始めても十分ですね。
カラーイラストで実写もあるので、見やすいです。
この本1冊で起き上がり、立ち上がり・着座、歩行と基本動作を勉強できます。
また臨床での原因の考えも記載されており、臨床に直接役に立てます。
メリット
上記であげましたが、カラーイラストで実写で説明されていることが読みやすいポイントです。
また、この本を読めば臨床まで使える知識が身につきます。
また著者である石井慎一郎先生はセミナーでの講師も行われており、参加すれば臨床推論と評価を見聞きすることが出来ます。
デメリット
この本だけでもわかりやすいですが、一度、石井先生のセミナーに参加してみると理解が深まるかもしれません。
セミナーに行く分、費用が掛かってしまうので、行かなければデメリットはあまり感じません。
終わりに
読んでみたい本は見つかりましたか?
この3冊は私も読みました。
それが私の動作分析の知識となって今も臨床に役立てています。
この3冊があなたの将来の役に立てれば嬉しいです。
以上、『【学生必見】動作分析でおすすめな本を3冊紹介します』でした。